梅産地、和木町の大梅干し
梅本来の美味さが残るとても立派な梅干しが手に入ります。集落を農産品で守ろうとする姿に感動。
京都府綾部市和木(わぎ)町の梅
一体どのぐらいの人が、京都府に梅の産地があると知っているのだろうか・・・。綾部市の中で南側に位置する和木町。府道450号線沿いに、和木の梅の産地はあります。ここで、梅の栽培を守り続ける組合があります。それが、和木町農村振興組合です。現在の代表は、谷口氏が受け持っていらっしゃいます。和木町農林業振興組合は、32世帯が組合員となっておりますが、実際の作業をされている方は、15名(内男性6人、女性9人)で、組合を進めています。
この和木の産地で育つ梅の品種は、大梅で南高梅と、鶯宿梅。南高梅は粒も大きく肉厚の梅で、昔ながらの塩の強い梅干しを作っています。塩分は想定するに29%越え。しかし昔ながらの梅干しの良さをしっている人ならば、一つ食べると、また食べたくなるような味の梅干しです。
小梅の栽培もおこなっており、品種は竜峡小梅です。これは、カリカリ梅で良く知られている小梅です。年間の収穫量は、大梅で1t、小梅で1tと、決して大量に取れるわけではありません。しかし収穫して梅を組合の皆様で丁寧に、梅干しまでの加工を行っています。HACCP対応の製造工程に確立されており、衛生環境も整えられております。梅林には、2月の終わりから花をつけ始めます。そして春先には毎年【和木梅】の梅まつりを開催し、地域の住民の方にも伝え、また、遠方からも足を運んでもらい、少しでも広めていく活動をされています。
現在の梅干しの販路はほぼ地元消費と、一部京都市内に出ております。梅干しは酸っぱいものと育ってきた私には、懐かしい味でもあります。それと同時に本来の梅干のカタチを、今の子供達にも伝えていきたい。日本の大切な食文化であり、保存食である梅干しのワケやコト。
当たり前にあったこの食文化を、少しでも業務用としても発信していきたいですが、先ずは一度是非ともこの和木の梅干しを食べてみてください。きっと懐かしき昔の自分を思いださせてもらえると思います。
2022/9/10 現在
文:金森幸子