やぎのチーズを味わうフロマージュ

ミシュランシェフ御用達の秘蔵生チーズ。山羊の香りが料理の美味さを引き立てます。

るり渓やぎ農園とは

るり渓という場所をご存知でしょうか。京都、兵庫、大阪、どこからもほどほど遠い山にある渓谷です。四季折々の風景が美しい保養場として関西では知られています。

このるり渓に、やぎ(山羊)を飼育している農園があります。名前はそのまま「るり渓やぎ農園」。覚えやすいです。経営しているのは有限会社るり渓やぎ農園で、関連会社が営んでいる障害者就労支援事業者「株式会社アットホーム・アットホーム園部事業所」の就労施設として生まれました。「やぎは気持ちが優しく、障害者の方々でも容易に接することができる動物」とのことで、約40頭のやぎからとれる乳から、ミルク、ヨーグルト、チーズを生産。また糞を山羊堆肥として加工し、田畑に戻して農産物を生産しています。まさに循環農法、そして本物の六次化です。

るり渓やぎ農園の生シェーブルチーズ

山羊の乳から作られるチーズは「シェーブル」と呼ばれ、フランスでは定番のチーズ。ギリシャではフェタチーズが有名で、その他中国やオーストラリアなど多くの国で生産されています。山羊の乳は人間の母乳に近い成分のため、その昔、乳の出が悪いお母さんが、山羊の乳をのませたという話も残っています。シェーブルは牛からとれるチーズと異なり、温めてもトロリとしましせん。どちらかというと水分を切って固くなったものを加工したり、あるいはそれを塩漬けにしたものが出回ります。
ここ、るり渓やぎ農園のチーズの中で、他国ものとの差別化ができるものが「生チーズ」。濃厚な味わいと独特の風味が特徴。国産の生シェーブルと言えば非常に貴重で、いつくかのミシュラン星付きレストラン(三ツ星含む)のシェフたちは好んで使用しています。

社会の課題に取り組む姿勢に賛同

自社の工房でやぎミルク製造中様々な障害を持つ方々が優しく接するストレス皆無のるり渓のやぎ。社会の課題を心のままに解決する取り組みに賛同してやみませんが、その成果品が美食につながるのは最高の話。みんなでチーズを消費して、この活動を支援し続けたいものです。

フロマージュ・フレがおすすめ!

私のおすすめは、一般的に売られているクリームチーズと、その1/3量を生シェーブルで混ぜたハイブリッド。少し搔き立てた生クリームと混ぜれば、最高のディップチーズソースが出来上がります。細かく刻んだチャイブ(シブレット)、ディルなどの優しいハーブと合わせたり、はちみつと合わせたり・・・と、アレンジは無限。すこし香る山羊独特の香りが牛のチーズでは出せない野性味や草のイメージを与えてくれます。
2023年からは業務用のパックができるため、とても使いやすくなってくるでしょう。

2023/3 現在

文:中村新