京たんくろ和牛と翁乃塩

塩づくりと牛肥育の二刀流。どちらも丹後の自然の恩恵を100%うけるから生まれる美味しさです。

日本海牧場は、いまから約40年前に先代が牛好きだったことから始まりました。当時はサシ入りの牛が人気でしたが、生育過程でのホルモン注射で失明してしまうこともあり牛に良くありません。。そのためサシ入りの牛は負担がかかることから選ばず、牛に優しい赤身肉に挑戦することにしたそうです。

独自品種「京たんくろ牛」

「京たんくろ牛」は元々の牧場が山地で傾斜が高かったことから選ばれた、足腰の強い短角牛と黒毛和種を掛け合わせた独自品種です。「京たんくろ牛」の「たん」は、丹後と短角の2つの意味がかかっています。肉の味が強い赤身肉でレストランでも人気です。飼料には、地元の米・稲を発酵させたもの、醤油かす等のオリジナルブレンドのエコフィードを与えていて、それが特徴である肉の味の濃さに繋がっています。現在、京たんくろ牛は年0~30頭の少量生産で、市場にあまり出回らないので希少価値が高いです。

丹後王国にあるレストラン「山と海」で京たんくろ牛の生ハムとハンバーグをいただきましたが、どちらももう一度食べたくなる味でした。生ハムは、色が濃く旨味がしっかりしていて、とても美味しかったです。また、ハンバーグは京たんくろ牛の特徴通り肉肉しさがあり、肉本来の味をガツンと感じられる一品で、食べ応えがありました。

【翁乃塩】

ことの始まりは建設会社で出る木の廃材です。この廃材をどうにか利用できないかと考えた結果、燃料として活用し「塩」を作ることを思いついたそうです。ただ塩を作るだけでなく、廃棄物の削減にも貢献しています。廃材を使用するため、機械ではなく手間暇をかけた人の手で生産されています。また、塩は川の淡水が入らない浜詰(はまづめ)という場所で汲み上げられているので「濃い」とおっしゃっていました。【翁乃塩】は、一般的な塩と異なり食感がサクサクしていることが特徴です。

現在では、シンプルな塩の他に変わり種が5種(ワイン・竹炭・わかめ・黒ニンニク・柚)開発されています。こだわりのポイントは、柚以外の4種はいずれも丹後地域で生産されていて、地域の食材を使用しているところです。特に、「黒ニンニク」は日本海牧場で採れたニンニクの規格外品を採用しているのでフードロスにも貢献しています。さらに、この変わり種5種の中でも「ワイン」は開発が難しく、研究に研究を重ね商品化したそうです。きれいな赤に色づいています。様々な用途が考えられる楽しいバリエーションです。

2022年10月現在

文:京都府立大学4回生 吉村春香

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