ここにしかない堀川牛蒡

美しい堀川ごぼうを愛おしく育てる新田さん。独特の香りと深みのある豊かな味わいは、京野菜の代表です。

京丹波町で堀川牛蒡

京都府丹波町にある京都の伝統野菜の一つ堀川ごぼうを栽培されているのは、新田農園の新田尚志さん。京丹波町で堀川牛蒡を生産されているのは、おそらく新田さんのみ。

元々の始まりは、新田さんのおじいさんが農業をされていた時代に、堀川牛蒡を栽培し、そして鉄道にのせて堀川牛蒡を送っていたそうです。当初の配送形態が、りんご箱でした。りんご箱に、12本、15本、20本と入れて鉄道に乗せて運んでいました。りんご箱を多く見かけるようになると師走の時期を感じるそんな風物詩的要素もあったそうです。もちろん今はリンゴ箱での配送ではありません。

品質を保つ秘訣

新田さんの栽培される堀川牛蒡は、事業者目線に添った堀川牛蒡だと感じました。サイズはL:2L:3Lの3種類です。(M:Sもありますが少ないそうです。)このあたりまでは、他の堀川牛蒡を同様かもしれません。しかしここからが、新田さんの堀川牛蒡の良いところです。

堀川牛蒡をほりあげて、出荷できるように牛蒡を整えます。その時にスーパーで市販されているような堀川牛蒡は、葉のついている方から牛蒡にかけて数センチおりたところでカットします。新田さんの牛蒡は、葉のから牛蒡に変わる丁度付け根をカットします。ここが、堀川牛蒡の鮮度を長期間保つ秘訣です。土付きのままだと一カ月程度はもつと言います。それだけでも品質の良さを感じさせられます。

堀川牛蒡は掘ってみないと分からないと言いますが、大体は葉の大きさで見分けます。そして土の中で根が横に伸びている牛蒡でも、更に牛蒡の可食部の部分の根が長い方が、栄養も豊富にいきわたり、最高級品と言われています。

また、通常の収穫時期よりも少し長く、10月上旬~3月下旬までは出荷が可能なので、事業者にはシーズブルメニューとして組み入れやすく、価値の高い商品が出来ることは間違いないと感じます。新田さんの堀川牛蒡は、丁寧に専用の箱に一本のまま入って配送されてきます。事業者さんのご要望は、サイズ、カット、土付き、土なしなど、ある程度要望に応じて対応してくれるその気持ちも嬉しくなります。収穫期で、1万3千本の収穫。とても貴重な堀川牛蒡です。この土地に末永く堀川牛蒡の栽培が根付くことを願って、一度この真心のこもった堀川牛蒡を是非ともご賞味ください。

また、とても有名な丹波の黒豆の栽培から収穫、集荷まで行っています。丹波の黒豆の時期は非常に短く、3週間の勝負です。その黒豆も要望すれば、葉付きなども可能とのこと。
こちらもご興味がございましたらお問い合わせください。

2022/9/10 現在

文:金森幸子