脱サラコンビの極上野菜

農業をツナグことは、人をつなぐ。そして新しい野菜を求め続ける。

南丹市で農業を営む若いお二人がいらっしゃいます。
きよしファームと名付け、農園を担当されるのが原田さん。営業を担当されるのが樋口さんです。元々は二人もサラリーマンでした。なので、サラリーマン農家を堂々とお話されているのがとても印象的で、楽しそうにお話をされていました。
サラリーマン時代は目的のないドライブをしていた。でも、それでは何も生まれず、何のためにもならないと考え、脱サラをされたそうです。

農園担当の原田さんは、実は京都エンジョイファームのご出身で谷村さんの教え子でした。
私からするとお歳はほとんど変わらないように見えましたが、原田さんは谷村さんを師匠と呼ばれていました。この感じがこの土地で農業を引き継ぎ、そして広める。その連携を作り出していることが良い連鎖の始まりだと感じました。

お二人は熱く語ります。僕たちの指名は物をちゃんと作ることだと。また、農業を始めて4年程で、この農業の世界では若手すぎると。今までやってきた農家さん達には技術として敵うわけもなく、争うこともしない。むしろ敬意を表したい。だから恥じないようにきちんと野菜を作ることだと。

きよしファームの野菜のこだわりは、有機肥料である廃菌床を土にまぜ良質な土壌の改良をし、そして栽培期間中は減農薬を心がけ、そして安定供給できること。またより新鮮な状態でお客様に届けたい気持ちから、収穫から2日以内に出荷しています。
そして有機肥料として使用している廃菌床はアビアス京都さんの椎茸を育てたあとの菌床です。南丹市の中で連携をとり、最後まで使用できるものは無駄なく使用する。その取り組みが、きよしファームの野菜の表情をみていると初々しさも感じながら信念も感じます。

きよしファームは、お客様の顔を直接見て販売したいと、マルシェcarを走らせ販売しています。このマルシェカーは、ご自身達の野菜だけの販売ではありません。別のブロクでも少しお話しました結の取り組みが、ここにも宿っているように思います。

そしてお二人の意思が強かったのは、トマトを芋は作らない!と。得意でない野菜を中途半場に栽培するのは違うからと言います。なので、得意な野菜は、ナス、ケール、パクチー。私もパクチーは大好きな野菜の一つ。パクチーの香りが口いっぱいに広がると何故か幸せな気分になります。

まだまだ、お二人の農業への挑戦は始まったばかりかもしれません。しかし人から人に繋がるこの取り組み、未来につなげたいと思います。鮮度を大切にしている野菜を、一緒に使用していきませんか。

2022/10 現在

文:金森幸子