夏はカレーの季節! 必ず出来る美味しいスパイスカレー  スパイス方程式の極意を大公開

スパイスカレーが大流行だ。
特に大阪ではソウルフードに発展している。
今では関東にもそれは波及し、更に全国各地、ご当地スパイスカレーが登場しはじめているくらいである。
私自身、元々はフランス料理人であるため、スパイスやハーブは熟知していたつもりだったが、インドに何度もカレーの勉強で訪れた結果、
その奥深さと楽しさはフランス料理などとは比べ物にならないほど言葉に尽くしがたいものである。
今回は、厳しい夏を共に乗り切るため、流行のスパイスカレーを超簡単に、
かつ本格的に美味しく作る極意をお伝えしたい。

インド・コルカタで食べた魚介類のスパイシーなカレーたち。どれも魚の旨味とスパイスの相性が少しずつ違っていて、食べ飽きない。

①これだけは備えておきたいスパイスとは

上記の画像をご覧いただきたい。
これはインドの首都デリーにあるレストランの厨房にあるスパイスボックスだ。
驚いたことに、地域で大人気の高級レストランであっても、たった10種類のスパイス、塩、砂糖で料理をこなしていたことだった。
他の店を見ても同じような種類。
しかし少しずつ違う。
それは、お店の個性を出すため、故意に変えているのだ。
たった10種類のスパイスといえど、その配合を変えてゆけば香りや効果の種類は無限大。
ここがスパイスの国、インドの奥深さなのである。

備えておきたいスパイスとは、家庭でもレストランでも、同じである。
スーパーマーケットで販売しているものが多く、手に入りやすいから気軽に挑戦してほしい。

●スパイスカレー作りで備えるスパイスたち

ブラックペッパー(粗びき)
フェンネルシード(粒)
オールスパイス(粉末)
カルダモン(粒および粉末)
コリアンダー(粒および粉末)
ジンジャー(粉末)
ターメリック(粉末)
チリペッパー(粉末)
クミン(粒および粉末)
マスタードシード(粒)

以上10種類である。
これさえあれば一般的なカレー粉のようなものも出来て、自分なりのガラムマサラも作れる。
ただ、配合には少しだけ勉強をしなければならないことがある。
それぞれの役割を知っておくということだ。
次に、スパイスカレー作りに必要な3つのパターンを伝授したい。

② 万能スパイス配合3パターン(配合はいずれも2人分のカレー作りに必要な量)

 スパイスカレーには、辛さ重視をしたい、甘さ重視としたい、バランス重視がよい、
というふうに、大きく分けて3パターンで十分楽しめる。上の表はその配合だ。

 辛味重視の特徴は、
チリパウダー、ブラックペッパーを多くすること。
だがそれだけでは良くない。
甘さを強調するカルダモンやフェンネルを下げることで、より辛味が立って個性的になる。

 甘味重視の特徴は、
辛さが特徴のスパイスを下げるとともに、
甘さと相性のよいコリアンダー、カルダモン、フェンネルを引き上げる。

 バランス重視は、
どのスパイスの個性も協調できる配合となっている。
尚、スパイス量は1人分5g前後が丁度良い。

③ スパイスカレーの美味しさをつくる三つの味要素

 スパイスが揃えばカレーが出来るわけではない。
具材も必要であるし、うま味も必要。
特に日本人は味の深さを要求するため、それなりに材料の数は備えることになる。

●スパイスのカレーの美味しさを作る要素

一つ!
スパイスの香りを高める「テンパリング」

二つ!
甘さを穏やかに発揮すること

三つ!
必要最低限の旨味をいれること

これらがキーになる。
それぞれを深堀してみよう。

 スパイスの香りを高めるためには、「テンパリング」という操作が必須である。

テンパリングとは、100℃強の油でスパイスを軽く炒める事を言い、
スパイスの個性を引き出すための隠し技だ。

 甘さを穏やかに発揮するには野菜と砂糖となる。

野菜は玉葱、ニンニク、人参。基本これでよい。
他にも入れてよいがそこは好みだ。
砂糖は野菜と一緒に炒めることがコツ。
砂糖がうまく野菜になじみ、甘さが優しくなる。

 必要最低限のうま味とは、
中心となる素材、鶏肉、牛肉(インドでは食べないが)、豚肉、豆などからでてくる自然な味が基本だ。

ここに好みでチキンブイヨンなどを加えても良い。
その方が、日本人には合う。

 これらを上手くコントロールすることによって、
個性あるスパイスカレーが生まれるのだ。
では実際に「バランス重視型スパイスカレー」のレシピをご紹介しょう。
是非トライしていただきたい。

④ 本格的なのに超簡単スパイスカレー

 とても簡単なスパイスカレーをご紹介しよう。
辛さは穏やかで、香りも豊か、うま味も整った仕上りである。

●スパイスカレーレシピ(2人前)

玉葱の粗いみじん切り・・・・・100g
人参の粗いみじん切り・・・・・100g
グラニュー糖 ・・・・・・・・ 2g
※ココナッツシュガーがあれば最高
ニンニクのみじん切り・・・・・・5g
スパイスミックス(バランス型)・全量
サラダオイル ・・・・・・・・・・40cc
市販ミートソース(冷凍)・・・・150g
※レトルトでも大丈夫だが、シンプルな味付のもの
カシューナッツ・・・・・・・・・ 50g
水・・・・・・・・・・・・・・300cc
塩・・・・・・・・・・・・・ 1.5~2g
※好みで調整

●作り方

① 鍋にサラダオイルを熱し、玉葱、人参、ニンニク、グラニュー糖を中火で炒める。

② 野菜を丁寧に炒め、玉葱が少し色づくくらいまで5分程度炒めた後、スパイスを全て入れて弱火にし、香りが出るように2分程度炒める。

③ カシューナッツを入れて軽く炒める。

④ 市販ミートソースを入れ、水を加え、蓋をしてから、弱火にする。穏やかな沸騰で20分煮る。この際、水分が減ったら適度に途中で補充する。

⑤ 塩をして味を調える。この時の完成量が450g程度になると理想的である。

完成品。さらりとした状態に味わい深いスパイスが美味しい!!

 市販のミートソースは、スパイスカレーを作る際とても便利だ。
レトルトや冷凍で多くの種類が販売されているが、
できるだけ化学調味料などが多く入っていないものを選んでほしい。
酵母エキスなどがあまり入らないシンプルなうま味の方がスパイスに良く合う。
今年も夏がやってきた。
心地よいスパイスカレーで、気分よく暑さ乗り切ろう。